ミステリ師匠

※不正確かつ大変失礼な記述があり6/14訂正しました。

   当ブログでは海外ミステリを中心に備忘録代わりに感想を書いている。ただ最初は覚書代わりに書いていたはずなのに、いつのまにか、読んだ本を是非多くの人にも読んでほしい!という欲が強くなってきて、そっちの比重の方もどんどん大きくなっているのも事実。

 

   そんな自分のブログに対する思いの変化に呼応するように、他の海外ミステリ愛好家はどんな本を読んで、どんな感想を抱いているのか、という興味も増大してきた。

 

   今日は、ここ数年ネットの海を彷徨いながら出会った海外ミステリ愛好家の運営しているホームページまたはブログを紹介しようと思う。超有名なサイトの数々だから、今更紹介するまでもないかもしれないが。

 

   ひとつ忠告しておくと、彼ら四つのサイトの運営者たちは、まぎれもなく本物である。海外ミステリを愛し、画面から迸る熱情から火傷しないようにご注意いただきたい。また、これから海外ミステリの書評ブログにチャレンジしようと勇んでいる読者がいらっしゃれば、さらに気を付けた方が良い。彼ら(勝手に)四天王とも称される面々の、流麗で説得力のある感想と批評を見てしまえば、自分の感想がなんと幼稚で他愛もないものか痛感させられるだろう。各批評には客観的で正確な情報がふんだんに盛り込まれながらも、独自のコンテンツなどが挿入され、読者をサイトに釘付けにする巧みな工夫がなされている。

   それでも負けないでほしい。大切なのは継続熱意だと思っている。続けていれば何か自分の得意なこと、オリジナリティのある書き方が見つかると思う。また、作品に対する熱い思いも忘れては行けない。これは自分の課題だが、ただ「好き」ではダメなのだ。「好き」という熱い思いをエネルギーに変換して、さらに文字に起こせれば、いつか誰かに伝わるのではないか。そんな自分自身への刺激剤としても、彼ら四名のプロフェッショナルたちのサイトは素晴らしい。

   そんな師匠と崇めたくなる彼らのコンテンツを見てもなお、我こそは!と名乗りを上げたくなった読者がいれば、是非海外ミステリに対する情熱を形にしてみるのはどうだろうか。恐れずにこの大海原に飛び込んでほしい。そして「私はここにいる!」と、どんな方法でも良い、叫んでほしい。

   たぶん、たぶん私には聞こえるはずだ。たぶん。

 


海外クラシック・ミステリ探訪記

   S・フチガミ氏による「備忘録」という名のブログだが、なんといっても圧倒的情報量。また、作家や作品の裏話や挿絵の紹介も垂涎もので、これらの記事をタダで読めるのだから嬉しいやら恐ろしいやら、複雑な心境にもなる。

 

 

 

探偵小説三昧

   sugata氏によるブログは、全体の雰囲気がクラシカルで堪らない。またタイトルも「推理小説」でも「ミステリ」でもなく「探偵小説」である。時代の変遷によって変化を遂げてきたこれらの呼称であるが、それら全てに対する熱中や傾向が「三昧」というワードから伝わってくる。さらに言っておかなければならないのは、業界一(ねこ調べ)のコンテンツ量だろう。海外作家だけで900以上ものコンテンツがある。正直敵う気も、追いつける気も全くしないのだが、ログを辿ってみると2001年からスタートしておられるようだ。やはり継続とは大いなる力だと感じさせられる。

 

ヨッシーワールド

   こちらは吉井富房氏のブログ。どうしても緑色の怪獣をイメージしてしまうが、全く関係ないらしい。なんといっても海外作品に特化した600を超える記事の数々が魅力である。読み易い文体に、作品に対する愛のあるユーモラスなツッコミが癖になるブログである。また、映画やベストテンなどのまとめ記事も充実しており、どんどん他の記事を読みたくなる。

 

黄金の羊毛亭

   SAKATAM氏によって運営されている、知らぬ者はいないと思われるミステリ批評サイトの大家。国内外を問わず、またミステリ作品だけではなくSF作品のコンテンツも豊富に備わっている。なんといっても美しいのは、毎回5作品の感想を1ページにまとめるというルーティンや、オーソドックスな作品感想ページとは別に設けられた「ネタバレ感想」という独自コンテンツ。また、ミステリ関連の完成度の高い論文やジョン・ディクスン・カーに特化した項目があるなど、オリジナリティとクオリティ両面で究極の批評サイトになっていると思う。正直当ブログもかなり影響されたサイトである。

 

   いかがだっただろうか。私は、これらのサイトを「お気に入り」どころか「師匠」を銘打って登録している。これからも更新を心待ちにしているし、自分も楽しみながら頑張って続けようと刺激される、そんなサイトである。

 

では。