『君の名は。』【感想】2016年鑑賞映画まとめ

ネタバレなし。あらすじ紹介ほとんどなし。感想ちょっとしかなし。

 

小説 君の名は。 (角川文庫)

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 そっか、まだDVDとか出てないのね。

 

 

 

10月某日。なんばの東宝シネマズにて嫁と鑑賞。嫁は電車に乗って、自宅の髪用アイロンの電源を入れっぱなしにしていたことに気付き帰宅。開演から3分後オープニングの音楽中に到着しなんとか鑑賞。アイロンの電源は、本体の機能により自動で切れていたという…
とバタバタ(主に嫁)の中見始めた本作ですが、結論から言うと大満足でした。

嫁は「笑えた。びっくりした。」というのが主な感想で、一方私は「音楽が良かった。」という全然違う内容のもの。私は予告編を見た時から勝手にストーリーの予想をしてしまい、さらにその大体が当たっていたというのもあり、驚きに値する部分には残念ながら衝撃を得られませんでした。もちろんストーリーは十分すぎる程楽しめたし、10年近く前の学生時代を振り返って、懐かしくもあり羨ましくもあり、と複雑な心境でもありました。

学生間の恋愛のノウハウや男女の心情について分析する経験や知識は無いので省略しますが、一般的にラブストーリーが軸の作品といのは、鑑賞する個々の価値観の違いや経験の有無という要素が、作品の好みに大きく左右されるような気がします。

例えば私は「ニューヨークの恋人」と「ユーガットメール」は好きだが、「50回目のファースト・キス」はあんまりだったし、「きみに読む物語」にいたってはよくわかりませんでした。たぶん記憶障害系がダメなのかもしれない。あとは単にメグ・ライアンが好き。

こんなラブストーリーに対する感想は、どんなジャンルの映画よりもその好き嫌いが顕著だと思います。その点本作は、そういった要素にあまり影響を受けずに「一般受け」しているのではないでしょうか。「一般受け」という概念がまた定義することが難しいのですが、簡単に考えてみると、それは器の大きさなのだと思います。ストライクゾーンの広さ、と表現しても良し。ゴールポストの広さでも良いです。ゴールリングの直径の大きさ、ラケットの面積のデカさとでも言いましょうか、もっと抽象的に、振れば当たるとかでもいいかもしれません。もう、赤ちゃんとかでもいい。ほぼ大多数の人間が好きなら良いのです。

 

一般受けしているからといって、それがあたかも名作かのようにもてはやされるのはあまり好きじゃありませんが、少なくともどの世代にも万遍なく(もちろん若年層が多いが)見られ一定の支持を受けていることは事実で、それは興行収入にもはっきりと出ています。2016年12月現在で興行収入は200億円を突破、歴代2位に。

 

続いて、ここまで歴史に名を残す映画になった最大の要因、みたいなのにフォーカスして書きたくなってくるんですが、そんなの監督がスゲェよで終わってしまうので、ここは音楽挿入歌)という観点で書いていきたいと思います。

公開から現在に至るまで、破竹の勢いで集客を伸ばし続ける『君の名は。』に関係する報道は、どの局でも目につきました。そしてそんな報道のバックにも必ずと言って良いほど、劇中挿入歌であるRADWIMPSの『前前前世』が流れています。つまり、情報の発信者であるメディアが、既に初期の段階から『君の名は。』とRADWIMPSの挿入歌をセットで推していたように思えます。

過去の名作『タイタニック』とセリーヌ・ディオン、『もののけ姫』と米良美一を見ても、作品と挿入歌というのは切っても切れない関係で、挿入歌が作品の価値を大きく高める重要な要素であることがよくわかるでしょう。

 

私はRADWIMPSの大ファンだ!と豪語するわけではないのですが、高校生時代にRADのコピバンをしていただけに思い入れもあり、こうやって世間にRADWIMPSの名が浸透してゆくのは大いに嬉しいです。『君の名は。』の挿入歌を全て収録したアルバムやNewAlbum『人間開花』なども名曲だらけで素晴らしいのですが、これを機に過去の作品にも是非触れてほしいところ。1stアルバムの初々しさったらないし、2nd以降は代表曲がバンバン登場します。

 

最後に、改めて自宅で『前前前世』を含む挿入歌を聞いてみて、映画館で感じたような情動をあまり感じないことに気付きました。

先ほど挿入歌が作品の価値を大きく高める、と言いましたが、これは逆も当てはまるらしい。

『君の名は。』という映像作品自体が、挿入歌の良さを最大限に押し上げ雰囲気を高めている。今まで出会ったことの無いちょっと特殊な形の映画なのかもしれません。

 

 

では!

 

君の名は。(通常盤)

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