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僕の猫舎

主に海外ミステリの感想を綴るブログです。

エッジウェア卿の死【感想・雑記】ーアガサ・クリスティ

 

 早川書房ってほんと、いい仕事してる。

ミステリや、SFの海外作品が充実してるのも、もちろんのこと、特にクリスティ文庫シリーズは表紙も良い。時代の好尚に合わせたイラストなどは用いず、徹底的にリアル志向を追求し、原題に即した写真で表紙を構成しています。

 

今作の表紙もビッグベン(ロンドンのウェストミンスター宮殿に付属する時鐘の愛称)が用いられており、たぶん、エッジウェアとビッグベンの響きを掛けたんだと思います。(んなわけあるか)

 

今作は、1933年にクリスティの長編小説第13作でポワロシリーズの第7作です。

今回は先にあらすじを紹介しておきましょう。

元女優で現エッジウェア卿夫人であるジェーンに、夫との離婚を説得するよう依頼されたポワロ。エッジウェア卿の異常な性質を垣間見ながらも、ポワロは友人ヘイスティングズと共に問題解決に乗り出すが、卿は半年前に既に離婚を手紙で承諾していたという。一方ジェーンはその事実を知らず、手紙の所在も不明だった。しかし結果として彼女の依頼は解決し、一件落着かと思われた……うんうん、なかなかいい出だしだ。その後題名どおりエッジウェア卿は死に、目撃者の証言によってある人物に嫌疑がかかるのですが、ここからが今作のトリックの真骨頂となります。

 

冒頭から人相模写を生業とする女優が登場することから、「あーまた二人一役か、入れ替わりなんだろうなー」とボンヤリ読んでいましたが、さすがはクリスティ。

複雑すぎる(汗)

ボンヤリ読みすぎて、全然肝心な部分が頭に入っていない笑。

何度か読み返し、やっとこさ頭がついてきたかと思われた矢先に、また新たな事件が発生。わけがわかりません。この状況は、作中のヘイスティングズジャップ警部も同じようで、特にジャップに至っては、ポワロを小ばかにしまくり、時には「豚頭」などと罵って(笑)ポワロをイラっとさせる一幕も見られます。読者でさえも、ジャップそれはないだろ、ヘイスティングズお前もか、と頭を抱えたくなるシーンも多々あるのですが、その度にポワロは、自分の考えも整理し、彼らの発言から可能性を模索し、新たな解決の糸口を見つけ出します。だぶん気のせいだと思いますが、影でポワロを導いているのは彼らなのではないでしょうか(絶対に気のせい)。


本作の中身については、トリックの精度というよりはキャラクターの意外性・異常性に重点が置かれているように感じます。特に異常性についてはクリスティ作品群の中でも随一です。オチといい、動機といい、やはりヘイスティングズや通常の感覚をもった我々読者には見破れないのは当然です。もし動機まで見破れたのなら、いっぱしの犯罪者と名乗っても良いかも?陳腐化してしまうかもしれませんが、世界仰天ニュースあたりで紹介されてても違和感はありません。

ただ、登場人物の中に俳優やら女優やら入れられるのは、もうお腹いっぱいです。嫌いじゃないけど。

 

 

余談ですが、表紙の人物はエッジウェア卿か?

土偶が杖ついてるようにしか見えない。 

 

 

 

 では!